プラスチックなど表面エネルギーが低い物体への貼り付けは難しく、インクの液滴は表面から流れ落ちます。
インク一滴で占う未来?

インク一滴で占う未来?

粘着テープがどのくらい強く表面に接着するかは、表面張力によって決まります。 インクテストで簡単にその違いを見ることができます。



なぜ被着面が変わると、粘着テープの粘着力が変わるのか? これには表面エネルギーと表面張力が関係しています。 粘着剤がある表面にどの程度強く貼り付くのかを調べるためには、インクテストとちょっとした知恵が必要です。

表面張力と表面エネルギー

水分子の表面張力
水分子の表面張力

表面張力と表面エネルギーは2つの異なるものです。 理解は難しくありません。 液体中では、分子は全ての方向に運動し、分子間に働く力は相互にその影響を打ち消し合います。 しかし、液体表面では状況が変わります。 ここでは、分子間に働く力は上方からかかります。そして分子は内部方向へ、つまり液体内部に向かって動きます。

その為、外側に「皮膜」が形成され、これは空気中で表面張力により保持されます。 液体表面が最小限に保たれるのは、表面張力があるからです。 同じ原理で、インクの液滴は完璧な球形になります。 対照的に、表面エネルギーは接着を壊す力であり、別の言い方をすると、新たな表面を形成するために必要なエネルギー量だということができます。 どちらの用語も、一般的に液体に関する類語として使用されています。

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高エネルギー、堅固な接着

低エネルギー表面では液体は球状を保ちます。 高エネルギー表面では液体は均等に分散します。つまり: この表面はテープを貼るのに適しています。
低エネルギー表面では液体は球状を保ちます。 高エネルギー表面では液体は均等に分散します。つまり: この表面はテープを貼るのに適しています。

粘着テープの貼り付きの良し悪しは、素材の表面エネルギーによって決まります。 それは以下の原則に基づいています。 素材の表面エネルギーが高いほど、粘着テープ、または粘着剤の貼り付きは良くなります。 これは、表面エネルギーが高いと、粘着剤が新たな表面を形成し、表面全体に広がっていくことが可能だからです。 表面エネルギーは、インクテストで簡単に測定することができます。 つまり、 表面エネルギーが高い表面上では、インクは均等に分散します。そのため粘着剤は簡単に貼り付きます。 表面エネルギーが低い表面上では、インクの液滴は球形になり、表面にとどまりません。 このような表面には粘着剤もうまく貼り付きません。

インクの滴の形を見る。

これが、インク一滴で未来を占う方法です。 被着面の性質について不明点がある場合、表面張力の測定が役立ちます。 簡単かつスピーディーに行える表面張力のインクテストは、信頼できる測定方法です。 最大の利点は、 家庭でも簡単に表面張力を測定できることです。 インクを数的を表面に落とし、この滴がどのような形になるのか、または分散するのかを観察してください。 粘着剤も表面の状態でインクと同様の反応になります。 表面全体に流れるか、または流れないかを確認して下さい。

ベストな接着場所は?

プラスチックなど表面エネルギーが低い物体への貼り付けは難しく、インクの滴は表面から流れ落ちます。 粘着剤にも同様のことが言えます。 例えば、合成物質などの低エネルギー表面は接着が非常に困難です。 適切でない粘着テープを使用すると、簡単に剥がれ落ちてしまいます。 粘着が難しい表面としては、ポリエチレン(PE)やポリスチレン(PS)、ポリテトラフルオロエチレン「フッ素樹脂」(PTFE)、ポリプロピレン(PP)、シリコーン、粉体塗装表面などがあります。

これとは対照的に、高エネルギー表面を持つ素材もあります。 粘着剤はこれら素材によく貼り付きます。 粘着剤は表面上で広範に均等に広がります。 高エネルギー表面を持つものには、スチールやアルミ、ポリ塩化ビニール(PVC)、ポリカーボネート(PC)などがあります。

しかし、表面張力が低い物体の粘着が不可能かと言うと、そうではありません。このような素材には専用の粘着剤があります。 つまり、必ずしも表面張力の測定結果だけで接着強度が決まるわけではありません。 表面張力は、プライマーの使用により簡単に変えることができるからです。 プライマーは表面エネルギーを化学的に高め、粘着剤の貼り付きをよくします。 また、場合によっては、 表面を徹底的に清掃・脱脂することで、奇跡が起きることもあります。 こうすることでも表面エネルギーが変化します。

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相性が悪そう? 問題ありません。

根本的に表面張力インクテストによって分かることはひとつです。 粘着剤が表面で流れない、つまり、すぐに微小な粒になりにくく、大きな塊になりやすい場合は、粘着剤との相性はよくありません。従って、それに適したパートナーを選べばよいわけです。